日本とは全く違ったラオスのお金事情
20代後半のころ友達と2人で東南アジアをふらふらしていた時があります。この時の旅は1ヶ月かけてタイのバンコクから反時計回りにマレー半島を一周するのが目的の旅でした。ケチケチバックパッカーの旅だったので旅行会社は使用せず、航空会社もシンガポールのLCCであるscootを使ってそのとき一番安かった往復で50,000円前後のチケットでバンコクまで飛びました。
タイからラオスまでの長い移動
タイを一通り楽しんだ後、国際バスを使って次の国であるラオスに向かいました。国境を超えて、数時間バスに揺られていると無事ラオスの首都であるビエンチャンのバスターミナルに辿り着きました。
ターミナルといっても何か建物があるわけでもなく、土煙とバラックのような露店が広がるただの広場でバスの扉は開きました。車中でオフラインのマップアプリを使用してホテルの位置を調べていましたが広場から予約しておいたホテルまでは歩いてもいけるがバックパックを持って歩くのは辛いくらいの距離がありました。
ラオスの独特な移動手段
しかしラオスには一般的に呼ばれるタクシーというものはありません。あるのは大抵もの知らぬ観光客から相場以上の金額を得ようとするトゥクトゥクだけです。トゥクトゥクは原付で引っ張る馬車とでもいうべき乗り物で東南アジア式の交通機関です。
バスから降りた私たちに元にトゥクトゥクの運転手たちが群がります。2人の客に対して20人以上が集まって口々に「おれのに乗れ」とアピールしてきます。
私たちは運転手たちのあまりの熱気に押されてしまいそうだったので、一度広場を出て落ち着いて、流しのトゥクトゥクを拾うことにしました。「NO,NO」と断りながらトゥクトゥク運転手の人混みを抜けましたが、1人の運転手だけ広場を抜けてもいつまでも付いてきます。
流石に大荷物を持ってあてもなくさまようのも嫌なので、この男のトゥクトゥクで世話になることを決めました。値段交渉をすると男は「トゥーハンドレッド」200ラオスキープだといいます。100ラオスキープは大体2円いかないくらいなので、私たちは多く見積もっても4円くらいで行けるものだと思いました。
日本とは全く違ったラオスの通貨文化
その時は「ラオスの物価は安いって聞いてたけど想像以上だなー」なんて呑気なことを考えていました。そのまま無事ホテルに着き代金として1000ラオスキープを渡し降りようとすると「ノー、トゥーハンドレッドキープ」といわれます。なにやらお互いに数字について誤解があるようです。私たちは電卓を取り出して200と打ちました、そうすると向こうは200,000と打ちます。そこで初めてラオスの文化を知りました。
ラオスキープはインフレを起こしていて桁が大きいので地元民は英語で話す時に1000の位を省略するのでした。つまり彼のいっていた金額はトゥーハンドレッドサウザンド、日本円にしておよそ30000円弱でした。
私たちはなんとか交渉して「この距離を日本でタクシー乗ったらこんなもんだよね」まで運転手に割り引いてもらいましたが、それからあまりに桁が大きい貨幣を使ってる国に行く時は初めに実際の桁と話し言葉の桁が一致しているかを調べることにしてます。