タイは本当に微笑みの国だった
タイに一人旅ででかけた時のエピソードになります。
ゆっくり過ごすタイ旅行
郊外のゴルフ場に併設されたロッジに2週間ほど滞在する予定でした。特にゴルフ目的ではなく、療養と休養を兼ねていました。ゴルフ場内を散策したり、近くのマーケットまでちょっと買い物に出かけたり、食材を買いに行くぐらいで、たまにバンコク市内までバスで出かけるといった、かなり気ままな毎日を過ごしていました。
親切なタイの人たち
ぶらぶら歩いていると、バイクに乗った少年が私の脇に停車し、「乗る?」といったジェスチャーをしてくれました。マーケットまでそれほど距離はなかったので、笑顔で手を振ると、少年も笑顔で返してそのまま走り去っていきます。
ある日には、再度マーケットに行く途中にタクシーが近くに止まり、「乗っていけよ」というしぐさをします。さすがにタクシーは怖いと思いましたが、好奇心も手伝って乗ってしまいました。数分の乗車はとても長く感じられましたが、結果、運転手さんはマーケットの前で停車し、「お金はいらないよ」といったことを何となく私に伝え、走り去っていきました。
タイでは、確かに気を付けなければいけないことも沢山ありますが、このような出来事によって、私のタイ人への見方がかなり変わったことは確かでした。危険な人物もいるけれども、個人個人を見極めれば、本当に「微笑みの国」なのだな、と。滞在中はとにかくタイ人に甘えてばかりだった気がします。
コンビニ、日本料理屋、ショッピングモール。あらゆる場所で不快な思いは一度としてしませんでした。
買い物で致命的なミスを犯しかける
最終日、帰国の数時間前に立ち寄った大きなマーケットで、特に土産を買うわけでもなく散策していると、様々な楽器を売っている屋台が視界に入りました。見たことのない楽器も陳列する中で、私の目を引いたのは蛇革の楽器。ギターやベースを弾いていた私に、それはすごく特別なものとして映り、日本国内ではまず買えないだろうなという思いが過りました。
店員さんに値段を聞きます。日本円にして4000円程度。タイでは高い部類にはいると思いますが、私から見るとかなり安いと思います。少しだけ値引き交渉をして、お金を払いました。店員さんもニコニコしていたので、これはいい買い物ができたな、と上機嫌でいると、ふと、違和感というか、自分を引き留めるものがありました。
それは、(蛇革って、日本に持ち帰れたっけ?)という疑念でした。よくよく考えると、うっすらとした知識でしたが、動物の毛皮や皮革などは個人でも事前申請しなければ持ち帰れなかったかもしれない。
またしても親切なタイの人に助けられた
帰国までの時間が迫ったのも手伝い、片言の英語で店員さんに告げました。「これは日本に持って帰れない。申し訳ないけど、返します。本当にゴメン」と言いながら、これは店員さんは怒りだすだろうな、と思いました。ところが、店員さんはちょっと深刻な顔をして「そうなの?」というリアクションを返し、返品を承諾してくれました。
これは本当にありがたく、タイ旅行の最後を締めくくってくれた出来事でした。最初からずっと、タイ人の温かみを感じた滞在でしたが、最後の最後で失敗する寸前、またもタイ人に救われた思いです。
皆様も、その温かみに是非触れてほしいのと同時に、お土産選びにはちょっとだけ知識を入れておくとより余裕を持った旅行ができると思います。