海外旅行でパスポートを紛失!!
数年前に1か月ほど個人旅行の目的でイタリアに行くことになり、大失敗をしました。結論から言いますと、イタリアに到着する前にパスポートを紛失しました。パスポートは言うまでもなく、旅行者にとって命の次に大事といっても過言ではありません。
まずはどういった経緯でパスポートを紛失したのかを説明します。航空会社はスイス航空を利用しました。成田空港発、スイスのチューリッヒ空港を経由してイタリアのローマ・フィウミチーノ空港着という行程でした。飛行機代は往復10万円前後でした。成田から約13時間のフライト後、経由地点のチューリッヒ空港でパスポートチェックを済ませ、2時間ほど待ってからローマ行きの飛行機に乗り込みました。
飛行機内での不注意が招いた悪夢
混んでいたこともあり機内で座席に着く前に、慌ててパスポートをチャックのないトートバッグに入れ、頭上の荷物入れに放り込んだと記憶しています。おそらくこのトートバッグからパスポートが滑り落ち、頭上の荷物入れに落ちたのだと推測します。何も知らない私は、ローマ・フィウミチーノ空港に到着し、荷物を受け取る場所でスーツケースが流れてくるのを待っていました。
その時、何気なくパスポートを確認したところ、ない!!!血の気がひき、嫌な汗をかきながら、カバンをすべて開け必死にパスポートを探しました。しかしどこを探しても見つかりませんでした。次に空港職員にパスポートを紛失したのでスイス航空にすぐに連絡を取ってほしい旨を伝えました。
必死のパスポート捜索
フィウミチーノ空港では一度荷物を受け取る場所まで来てしまうと、後戻りできないよう立ち入り禁止となっており、自ら機体に戻ることができなかったからです。職員はすぐにスイス航空のスタッフに連絡を取ってくれましたが、「機内を掃除した際に落としものは見つからなかった。機体は次の目的地に向かう」と告げられました。
自分では見つけられないと諦め、スーツケースを受け取った後に空港内の警察署に行き、盗難・紛失届証明書にパスポートを失くした旨を記入しました。イタリア人女性の警察官が非常に親身になってくれ、各所に電話をして探してくれましたが見つかりませんでした。警察官は「パスポートを盗む人はイタリアにはいないため、紛失ではないか」とおっしゃっていました。
今はわかりませんが、10年くらい前ある発展途上国で日本人のパスポートが高額で取引きされると聞いたことがあり、盗まれたと疑心暗鬼になっていましたが、完全に自分のミスだったとわかり、少しほっとするような、情けないような何とも言えない気がしました。
イタリアでの大変なパスポート再発行
シェンゲン協定により、チューリッヒ空港ですでにパスポートチェックされていたので、フィウミチーノ空港でパスポートチェックはありませんでした。仮にイタリアでパスポートチェックがあった場合、イタリアに入国できたかどうか定かではありません。
警察署で盗難・紛失届証明書を発行してもらった後、ローマの友人宅に向かいました。こうなると旅行どころではありません。まず在イタリア日本大使館のウェブサイトを確認したところ、パスポートの再発行には警察発行の盗難・紛失届証明書、写真のほかに、6か月以内に発行された戸籍謄本が必要とあります。
日本にいる母親にお願いして戸籍謄本を友人宅に送ってもらいました(到着まで5日程かかりました)。戸籍謄本、紛失・盗難届、写真、失くしたパスポートのコピー、手数料などを持ってローマの日本大使館に向かいました。記憶が定かではないのですが、午前中に出向き、午後には新しいパスポートが発行されたか、遅くとも翌日には発行してもらえたと思います。
無事にパスポート再発行そして紛失したパスポートの行方は…
在イタリア日本大使館のホームページを見るとパスポートの再取得に原則2日かかるとあります。ローマの日本大使館は空いており、待ち時間がまったくない状態でした。なお、私は旅程に余裕があったので戸籍謄本を送ってもらい、再発行という形を取りましたが、日程に余裕のない人は「帰国のための渡航書」を大使館から発行してもらうこともできます。
後日失くしたパスポートは約1週間後にスイスで発見されました。在スイス日本大使館から連絡が実家の電話に入り、実家から私に連絡が入りました。実家に連絡が入ったのは、パスポートの最後のページに実家の連絡先を記載していたからです。すぐにメールで在スイス日本大使館の担当者とやり取りをしました。経緯としては、チューリッヒ空港の警察署にパスポートが届き、その後在スイス日本大使館へ引き渡されたとのことでした。
渡航先でのパスポート紛失、再発行による教訓
イタリアで新しいパスポートを再発行した旨を伝えると、在スイス日本大使館で古いパスポートの失効手続きをした後、郵送でイタリアの友人宅に送ってくれました。在イタリアと在スイスの日本大使館の担当者には大変お世話になりました。とても親切な方々で本当に感謝しています。この経験から学んだことは、「パスポートはチャックのついたカバンに入れること」と「飛行機に乗る際も貴重品は手元におくこと」です。これ以降、チャックのついていないトートバッグを使うことはやめました。
今では、旅行の際はチャックのついた肩からかけるタイプの小さなカバンにパスポートを入れ、足元など目の届くところにカバンを置くようにしています。飛行機に乗るたびにこの苦い経験を思い出しています。