あまりにも親切な人には要注意

当時、会社勤めをしていた私と無職の友人の２人で、台湾旅行へ行きました。手配は全て私が行いました。

英語が話せる友人がいるから選んだフリープラン

空港券とホテルがセットになっており、現地ではフリープランのツアーを組みました。私は英語が全くできませんが、友人は留学経験があるため英語もペラペラです。

台湾は若者であれば、英語ができる人も多いと聞いていたので、現地で何かあっても友人がいるので大丈夫だと思い、フリープランを選びました。２泊３日で、一人50000円ほどでした。航空会社は、機体にハローキティが描かれているエバー航空です。

台湾はコンパクトかつ観光客も多いので、観光地であれば、行きたい場所にすんなり行けると思っていました。しかし、そううまくは行きませんでした。私たちは、千と千尋の神隠しのモデル地と言われている九份を目指しました。

台北から地下鉄MRTに乗車し、九份の玄関口へと向かいました。そこで迷ってしまったのです。バスがあるはずなのですが、一向に来る気配がありません。他の観光客の人たちも少々困っているようでした。

気さく過ぎる台湾の若者

そこで友人が、現地の若者たちを見つけ、英語で話しかけてくれました。その若者たちは、オーストラリアから来た友人を案内するとのことで、オーストラリア人も一緒でした。私たち２人と若者６人は、タクシー２台で無事九份に行くことができました。

そこでお別れをしようとしたのですが、現地の若者が非常に親切で、一緒に回ろうと言うのです。九份を一通り見た後に、台北に戻り、市場や美味しいお店などに連れて行ってくれました。

また、若者の中に、台北101で働いている友人がいるとのことで、台北101にタダで入れてくれたのです！台湾人は日本人が好きだとか、一緒にご飯を食べるのが好きだとかの事前情報がありました。ですが、ここまでだとは思いもよらず、驚きました。

楽しい台湾人と意気投合

その後も台湾人のサービス精神が加熱します。みんなでカラオケに行こうと言うのです。もう、私たちは言われるがままに彼らについていきました。広いカラオケルームに入ると、台湾人は携帯電話で誰かと電話をはじめました。どうやら友人を呼んでいるようです。

気づくと、初めは８人だった部屋が２０人ほどになっていました。彼らはおしゃべりが大好きで、マイクの音量に負けないほど大きな声でずっと笑ったりおしゃべりしたりしています。台湾のカラオケは持ち込みが可能なのか、コンビニでお酒を買ったり、カラオケルームで食べ物を頼んだり、と、食べ物やお酒も溢れんばかりの量になってきました。途中からきた人たちは、途中で帰ったり、また来たりと自由でした。

意気投合したばっかりに気づかない落とし穴

３時間ほど過ごし、最終的に、初めからいた８人だけになりました。今まで頼んだものは全て、初めに私たちと一緒に入店した台湾人が払います。太っ腹だなあ、と感心していると、台湾人が「持ち合わせがないから出してくれないか？」と聞いていきました。私たちは多めにお金を持っていたので、言われた額を払いました。

日本円での計算がパッとできず、なんの疑いもなくその額を払い、別れました。ホテルに戻り、楽しかった余韻に浸りながらふとお金を換算してびっくり。なんと、私たち２人は、２人合計で４万円ほど払っていたのです！たくさん食べ物を頼んでいたものの、どう考えてもカラオケルームと飲食で４万円はあり得ません。

そこで気づきました。鴨られていたんだ、ということに。ここで学びました。親切すぎる外国人には要注意、ということと、お金の換算はできるようにしておこう、ということを。高い授業料だったからこそ、再び同じことは繰り返すまい、と心に誓ったのでした。