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ニューヨーク旅行で怖すぎる経験

私がこの体験をしたのは今から約10年前、2009年のことでした。当時20歳、フリーターで夢も無くフラフラしていた私は漠然とした夢を持っていました。「世界を股にかけて飛び回りたい。英語が話したい」。そう強く願っていた私ですが、実は中高の時の英語の成績は「1」。テストも赤点ばかり、英語なんてカタコトですら話せません。

 

若さの勢いで行ったニューヨーク

しかし、私には確信がありました。いつの時代も多旅人や留学生の心の依り所となり、そして決まって彼らを裏切る「危険な考え」。それは

「海外行っちゃえば何とかなるっしょ」

です。そう思い至った私は、次の瞬間にはニューヨーク行きの航空券を予約してしまいました。

初めての海外一人旅。成田からJFK空港へ、実に13時間のロングフライトです。飛行機の乗り方も、空港からダウンタウン(市街地)までのアクセスも調べず、それを現地でどうにかするための最低限必要な英会話能力すら持っていなかった私。

少し考えれば「いやこれ、無理じゃね?」と思いそうなものですが、「行ってしまえばどうとでもなる」という稚拙で無根拠な確信は私を突き動かします。唯一の救いは、日本人経営のホステルの予約を日本でしていたこと。これが後に私を救うことになります。

出発の日、両親に「これからアメリカ言って行ってくるわ!」と報告した自分が、妙に誇らしく思えたのを覚えています。フライトはデルタ航空、チケットは10数万だったはずです。

 

JFK空港から宿泊先への長い道のり

手間どりはしましたが、優しい空港スタッフに助けられてなんとか搭乗。JFK空港に降り立った時、気分は最高潮に。フライトの疲れや時差ボケなんてなんのその。しかしここで私は、重大な事に気づきます。

「予約した宿までどうやって行けばいいんだ?」

困りました。ガイドブックすら持っていなかった私、ここは隠された英会話スキルを発揮する他ありません。そこにちょうど、スーツを着た空港の係員らしき人が声をかけてきました。

Where would you like to go?」
どうやらどこに行きたいのか聞いているようです。

「I want to go to Manhattan」

「OK,come overe here.」

おお、通じた!俺、すごいんじゃね?やっぱり来れば何とかなっちゃうじゃん!

 

無警戒で車に乗ってしまったことによる悲劇

舞い上がった私は少しも警戒せずに手配された車に乗り、一気にマンハッタンまで・・・向かうはずが、ついたのは人気のない街はずれ。

ここでさすがの私も「やばい」と思いました。そしてドライバーは案の定、料金をふっかけてきます。

「200ドルよこしな」

英語力皆無の私、怒ることも交渉もできず。泣く泣く言い値を払いました。焦って泣きそうになりながら近くにあった公衆電話で宿泊予定のホステルにヘルプ要請・・・その後なんとか電車でマンハッタンにたどり着き、宿にチェックイン。この瞬間は本当に安心しました。

 

勢いだけで海外旅行は無謀だった

この間抜けな一件から私が学んだことはただひとつ。

「とりあえず行ってもどうにもなりません。旅行に行く際は、最低限の準備は必要不可欠です」

特に旅行会話や空港から町へのアクセス、街の治安や政治情勢などは絶対に押さえるべきです。そんな私ですが、その後は必要以上に慎重な旅行者になり、今では英語で仕事をしています。